現在実施している子どもたち向けDTMワークショップ実施に込めた思いを、まずは前編として沖縄県に提出した事業計画書から転載します。

事業の概要

私は、県内の若手DTM人材(コンピュータやスマートフォンなどを利用し本格的な音楽制作を行えるクリエイター※)を発掘・育成することで、彼らの将来の選択肢を増やし、また沖縄におけるDTM市場の活性化に寄与したいと考えております。今回はそのゴールに向けた第一歩として、この事業を通じて沖縄県内の小学生から高校生を対象とするDTM入門者向けのワークショップを専門講師を招いて実施するとともに、県内初の小〜高校生を対象としたDTMコンテストも併せて実施したいと考えております。さらに、さまざまな角度からのアンケートを実施し、県内DTM市場の現状把握を行いたい次第です。

※DTMはデスクトップミュージックの略で、現代の音楽制作現場において必須のスキルです。

事業の趣旨・背景

事業の趣旨、事業実施の背景
DTMはパソコンやスマートフォンなどを用いて自身の音楽を制作する行為を指します。DTMのやり方を身に付けることで、作曲やアレンジも含め、自由に自身の音楽表現ができるようになるだけでなく、CMやドラマ、映画、ゲームなどプロの音楽制作市場での幅広いDTM人材のニーズもあります。

沖縄は地元の文化芸術を継承する取り組み、また新しい文化芸術人材を発掘しようとする取り組みが大変活発ですが、小学生〜高校生を対象としたDTM人材の発掘・育成についてはその動きはありません。

これまで長い間、DTMを行うにはたいへん高価なコンピュータや専用機器が必要でしたが、現在はスマートフォンやタブレットひとつで誰でもお金をかけず気軽に始められる環境が整っています。ただ、その方法を知るための学習支援体制がありません。

そこで、私たちが沖縄県内の小学生〜高校生を対象にしたDTM入門者向けのワークショップや、彼らの動機付けにもなるDTMコンテストを開催することで、若手DTM人材の発掘と育成に取り組みたいと考えています。

事業実施により解決したい課題
音楽は、ただ聴くだけでなく、自身で創ることができるようになれば、その楽しみと可能性は文字どおり一生を通じて広がります。DTMの手法を知ることはその非常に有効な手段のひとつですが、現在沖縄には子どもたちのDTM制作を後押しする仕組みがありません。またDTMは、現在小学校でも必須科目となっているコンピュータプログラミングとも相性が良く、さらに中学校や高校の音楽の教科書の中にはDTMが紹介されているものもあるのですが、そもそも先生がDTMについて教えきれていないという状況もあります。

そこで、この事業を通じて県内の子どもたちに音楽制作のきっかけを提供することで、個々人ですでにDTMに取り組んでいる子どもたちはもちろん、自分で音楽を創ってみたいと漠然と考えている子どもたちも後押しし、DTMを通じて彼らの可能性の扉を開くサポートをしたいと考えています。

カテゴリー: DTM