今年は国内の4WD市場で大きな動きがあった。

ひとつはハイラックスの復活。もうひとつはジムニーのモデルチェンジ。

どちらも個人的に大好きなクルマである。

ハイラックスはかつて2代目の4WDが欲しくて欲しくてたまらなかった、という個人的な過去がある。

ジムニーは、いま魅力的な国産車といえばこれくらいしかないな、とここ数年ずっと思っていた。

ハイラックスは6代目(1997年〜2004年)を最後に日本市場から消えていたのだが、今年久々に国内復活ということで注目されているようだ。

ジムニーは3代目の発表から数えて20年目のモデルチェンジということで、これまた大きな注目を浴びている。

だが両者(車)、4WDという意味では同じカテゴリーになるが、クルマ自体の性格は相当異なり、従って売り方にも相当大きな違いがある。

1.ハイラックスのマーケティング

さて、ハイラックス。とにかくデカい。実物をトヨタで見たのだが、荷台もやたら広い。車長は5メートル。でまた、この店頭にあった実物がTRD仕様で、はっきり言ってめちゃカッコ良かった。欲しいぞ…!

しかしこんなクルマ、日本でどうやって運転するのだろう? 駐車場は? 価格は約330万〜370万。高速道路を走る際も乗用車より高くつく。海外ならともかく、国内での、日常生活での利用を考えると、これ以上ムダなクルマはなかなか見つからないかもしれない。

で、このクルマを日本でどうやって売るのかな?と思ってカタログを取り寄せてみたのだが、なんと完全に「若者狙い」となっていた。自分みたいな「昔ハイラックス欲しかったけど買えなかったオジサン世代」じゃないんだ…。

「超ド級」
「デカ」
「デカッ」
「ハンパない」
「超遊びまくれ。」
「超運びまくれ。」
「わるいね目立ち過ぎちゃって。」
「ここにも、あそこにも、テンション上がる系を搭載。」
「どんな道もカモン!」
「イケイケなのにガードはバリカタ。」

ページをめくるたびにこのようなキャッチコピーが飛び込んでくる。

いやー、うそでしょ、、、バブル期じゃあるまいし、こんなクルマ、若い人が300万〜400万も出して買わないって…..

と思ったら、である。

いた、新型ハイラックス…。

ジュンク堂の前の立体駐車場でホンモノ発見。

うそ、、、ホントに買うんだ…(汗)

370万円のほうである。

しかも運転してたのは、ラッパーっぽい出で立ちの30代くらいのお兄ちゃん2人。

完全にペルソナそのまんま(かどうかは知らないが、本当に若いお兄ちゃんだった)。

トヨタのマーケティング力、恐るべし…。

いや、自分も充分、欲しいんですけどね…。

で、いろいろ頭の中でシミュレートしたんですが、やっぱりふだんの仕事使いには相当ムリがありそうで、諦めました。

2.ジムニーのマーケティング

そしてジムニー。

正式発表される前からデザインは結構リーク?されていたので

相当期待していたのだが、、、イイジャン!!!

今週の月曜日にディーラーに行ったのだが、土日でカタログは全て無くなってしまった、と、コピーをくれた。

この土日の2日間で1万台受注したそうで、いま注文しても4ヶ月〜6ヶ月待ちとのこと。

実物にも乗ってみたのだけど(運転はしていない)、とてもしっかりガッチリした印象を受けた。

室内はまぁ、広くはない。自分の場合、機材を載せる際には工夫が必要になりそうだ。

だがこのコンパクトさに逆に好感を持ってしまう。

意識せずとも愛情を持ってしまう、そんなクルマだと思う。

ちなみに価格はハイラックスの半額以下の約150万円〜180万円。

だけど4WDとしての性能は言うまでもなく本物。

そしてデザインがこれまた強力に改善され、もう非の打ち所がない。

ジムニーにはわざとらしいマーケティングなんて似合わない。

「モノの良さ」、それだけで勝負。

ジムニーファンの皆さんも、恐らくそこに魅力を感じていると思う。

これから徐々にジムニーを街で見る機会が増えてくると思うが、みなさんそれぞれのジムニースタイルを見るのが楽しみで仕方ない。

ジムニーのマーケティングの一番の強みはそこかも。

つまり、ファンが勝手に、そしてこれでもかというほど宣伝してくれる、自立型ほったらかしマーケティング。

3.まとめ

ということで今年話題の2つの4WDをマーケティングの面で比較してみた。

結論。

個人的にはジムニーのマーケティングスタイルにとても惹かれます。

マーケティングスタイル、というか、利用者のことを第一に考えたモノづくりの姿勢に、ですね。